2008年 12月 04日
哲学的アルバイト
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早朝の食品工場バイト、いよいよ飽きてきました。
まぁ、生活リズムのためとはいえ。
ひたすらコンベアで流れてくるレトルト鍋つゆをトレイに並べるだけの単純作業ですが、スピードが結構速いんです。ただ、その忙しさは中途半端。
忙しいと時間が過ぎるのは早い、と言いますが、そこまでも忙しくない。
長いのです。10分20分が。
だからいろいろ考えます。無心でいようと思えば無心でもいられますが、せっかくなら何か考えた方が時間として得だろう、という発想です。そのほうが早く時間が過ぎる、という理由もあります。
目の前を流れ続ける「ちゃんこ鍋」のつゆ。
ふと
「ゃ」をなくしたら、どうなるんだろう?
哲学者の私は考えてしまったんですね。
これはヤバいですよ。
これはエグいですよ。
思わず笑ってしまいそうになりますが、ここは我慢。
ただし、一度そんなことを考えるともう止まりません。
パッケージの裏を見れば
「まろやかでコクのあるちゃんこ鍋です」
と書いてあります。
ますますリアル。背筋がスッとします。そして、クスッとします。
さらに下を見れば、
「召し上がり方:よく振ってから、火にかけてください」と赤い字で書いてあるではないですか。
もやは笑いをこらえるのは限界です。だって、振るという些細な動作と、火にかける、という残酷極まりない行為が、並列にならんでいるわけですから。
え~、鍋なんだから、そりゃ火にかけちゃうんでしょうけど、ホントにやっちゃうんですか?!ホントに?!きっつ~!!って勝手に一人テンションハイになっちゃったりしてます。
こうして一人、工場内でニヤニヤしながら仕事している間に5分経過。
それでも5分。
結構時間が経ったと思ったのに。
さて、次に考えたのは、それこそ哲学的に
「何でこんなにこの仕事はつまらないのか」
を自分に問います。
仕事のやりがいとは何か?
世間一般によく言われるのが、喜んでくれるお客様の顔を思えば・・・と聞きます。
この場合、お客様とは、鍋つゆさえも買って簡単に済まそうとする30代の奥様です。こんな奥様ですから、野菜なんてお飾り程度に違いない。はっきり言って僕らの敵です。
買ってきたポテトサラダなんて脇において、「ほら、お野菜よ。」だなんて子供にすすめている。
むむむむ、今後の日本を憂うばかり。こんな奥様のために僕は働いているのか・・・
考えれば考えるほど、やる気が削がれます。
それでは、次によく言われるのが、スキルアップになる・・・とかなんとか。
さて、これがスキルアップもくそもないことくらい一瞬で分かります。
「ほら見て!こんなに並べるの早くなったよ!」
って誰に自慢できますか?3歳児が言ったなら、カワイイですけどね、もうすぐ30歳になる男性ですから。
1袋およそ800g。片手に2つ持っても1600gです。筋力アップにもなりません。
上腕二頭筋が役不足でモジモジしています。
あえて鍛えられるとすれば、
「根気」
でしょうか。間違いなく培われます。
根気の足りない少年少女には持ってこいかもしれませんが、私は大豆・小豆の選別で根気だけは鍛え続けてますから、こんな時まで根気を鍛える必要はないのです。
最後に言われるのが、「達成感」
草引きで振り返ったときのサッパリした達成感。あれはなかなかのものですが、今回の場合、いっぱいになったトレイはどっか蒸気殺菌だったり段ボールに収まっていたりで、すでに運ばれていますから、振り返っても何もないのです。
結局のところ、何を考えても、この仕事がつまらないことには変わりはありません。
しかし、一つ大事なことを忘れていました。
たとえ仕事内容がつまらなくても、それに耐えうる動機さえあればいいのです。
このお金で、彼女の誕生日プレゼントを!なんて燃えますね。働いちゃいますね。
僕の場合、それが完全に欠落していたのです。
この2000円を何に使うのか?
「生活費の足しに」なんてツマラナイことを考えていたからです。
小学生が将来の夢を聞かれて「サラリーマン」と答えるくらいツマラナイことです。
ああ、反省反省。
せっかくだからうんと無意味に使いたい。
2000円分プリンを買う、とか、めったに買えないハーゲンダッツを買うとか。
しかし、待てよ。
そんな風に2000円使うくらいなら、こないだ畑で行方不明になった剪定ばさみ、あれの代金に当てた方がいいではないか。こないだ壊れて新しくかったデジタルスケール、あの代金はやはりここから出すべきではないか・・・
あああ、ダメダメダメ!現実から離れられない!!「修理代」のための労働なんて、哀れすぎる!俺はそんなにMじゃない!
こうして悩みながら、2時間は過ぎていくのです。
さて、明日は何を考えよう。
まぁ、生活リズムのためとはいえ。
ひたすらコンベアで流れてくるレトルト鍋つゆをトレイに並べるだけの単純作業ですが、スピードが結構速いんです。ただ、その忙しさは中途半端。
忙しいと時間が過ぎるのは早い、と言いますが、そこまでも忙しくない。
長いのです。10分20分が。
だからいろいろ考えます。無心でいようと思えば無心でもいられますが、せっかくなら何か考えた方が時間として得だろう、という発想です。そのほうが早く時間が過ぎる、という理由もあります。
目の前を流れ続ける「ちゃんこ鍋」のつゆ。
ふと
「ゃ」をなくしたら、どうなるんだろう?
哲学者の私は考えてしまったんですね。
これはヤバいですよ。
これはエグいですよ。
思わず笑ってしまいそうになりますが、ここは我慢。
ただし、一度そんなことを考えるともう止まりません。
パッケージの裏を見れば
「まろやかでコクのあるちゃんこ鍋です」
と書いてあります。
ますますリアル。背筋がスッとします。そして、クスッとします。
さらに下を見れば、
「召し上がり方:よく振ってから、火にかけてください」と赤い字で書いてあるではないですか。
もやは笑いをこらえるのは限界です。だって、振るという些細な動作と、火にかける、という残酷極まりない行為が、並列にならんでいるわけですから。
え~、鍋なんだから、そりゃ火にかけちゃうんでしょうけど、ホントにやっちゃうんですか?!ホントに?!きっつ~!!って勝手に一人テンションハイになっちゃったりしてます。
こうして一人、工場内でニヤニヤしながら仕事している間に5分経過。
それでも5分。
結構時間が経ったと思ったのに。
さて、次に考えたのは、それこそ哲学的に
「何でこんなにこの仕事はつまらないのか」
を自分に問います。
仕事のやりがいとは何か?
世間一般によく言われるのが、喜んでくれるお客様の顔を思えば・・・と聞きます。
この場合、お客様とは、鍋つゆさえも買って簡単に済まそうとする30代の奥様です。こんな奥様ですから、野菜なんてお飾り程度に違いない。はっきり言って僕らの敵です。
買ってきたポテトサラダなんて脇において、「ほら、お野菜よ。」だなんて子供にすすめている。
むむむむ、今後の日本を憂うばかり。こんな奥様のために僕は働いているのか・・・
考えれば考えるほど、やる気が削がれます。
それでは、次によく言われるのが、スキルアップになる・・・とかなんとか。
さて、これがスキルアップもくそもないことくらい一瞬で分かります。
「ほら見て!こんなに並べるの早くなったよ!」
って誰に自慢できますか?3歳児が言ったなら、カワイイですけどね、もうすぐ30歳になる男性ですから。
1袋およそ800g。片手に2つ持っても1600gです。筋力アップにもなりません。
上腕二頭筋が役不足でモジモジしています。
あえて鍛えられるとすれば、
「根気」
でしょうか。間違いなく培われます。
根気の足りない少年少女には持ってこいかもしれませんが、私は大豆・小豆の選別で根気だけは鍛え続けてますから、こんな時まで根気を鍛える必要はないのです。
最後に言われるのが、「達成感」
草引きで振り返ったときのサッパリした達成感。あれはなかなかのものですが、今回の場合、いっぱいになったトレイはどっか蒸気殺菌だったり段ボールに収まっていたりで、すでに運ばれていますから、振り返っても何もないのです。
結局のところ、何を考えても、この仕事がつまらないことには変わりはありません。
しかし、一つ大事なことを忘れていました。
たとえ仕事内容がつまらなくても、それに耐えうる動機さえあればいいのです。
このお金で、彼女の誕生日プレゼントを!なんて燃えますね。働いちゃいますね。
僕の場合、それが完全に欠落していたのです。
この2000円を何に使うのか?
「生活費の足しに」なんてツマラナイことを考えていたからです。
小学生が将来の夢を聞かれて「サラリーマン」と答えるくらいツマラナイことです。
ああ、反省反省。
せっかくだからうんと無意味に使いたい。
2000円分プリンを買う、とか、めったに買えないハーゲンダッツを買うとか。
しかし、待てよ。
そんな風に2000円使うくらいなら、こないだ畑で行方不明になった剪定ばさみ、あれの代金に当てた方がいいではないか。こないだ壊れて新しくかったデジタルスケール、あの代金はやはりここから出すべきではないか・・・
あああ、ダメダメダメ!現実から離れられない!!「修理代」のための労働なんて、哀れすぎる!俺はそんなにMじゃない!
こうして悩みながら、2時間は過ぎていくのです。
さて、明日は何を考えよう。
by uno_daisuke513
| 2008-12-04 23:43
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