2011年 05月 22日
放射性物質について
|
静岡県のHPに載っている数値ですが、浜松市天竜区は、
●生葉(加工をする前の、生のお茶の葉のこと)
・・・95ベクレル/㎏
●飲用茶(製茶した茶葉10グラムを90度のお湯430mlに60秒浸して抽出)
・・・5.5ベクレル/㎏
※暫定基準は500ベクレル/㎏
です。これ以上の情報は私たちも得ていません。
乾燥した状態の茶葉は、重さが約5分の1程度になるため、放射性物質もそれだけ濃縮されます。(数値が大きくなるため、静岡県が検査を拒んでいるようです。)蒸したり、揉んだりする際に、出て行くものもあると思われるので、5倍にはならないだろうという見解ですが、たとえ5倍になっても、95×5=475ベクレルなので、セーフみたいです。
こういった数値をどのようにとらえたらよいのか、何より私たち自身が戸惑っています。
だいちゃんは、キロ当たり95ベクレルの生葉を、毎日8~9千キロ、お茶工場で揉んでいます。それは単純に計算すると、約85万ベクレルの放射性物質に囲まれていることになります。ここのところ、自宅で4,5時間の睡眠をとるとき以外は、毎日茶工場か茶畑にいるという感じです。厚労省は、店頭に数千ベクレルのお茶が並ぶことを問題視していますが、私たち生産者の日常は、もっと大きな数字が並んでしまいます。それでも、放射性物質は目に見えないだけに、例年と何ら変わらぬ忙しい毎日が過ぎていきます。
今回の原発事故以前より、私たちは原発に反対でした。たとえどんなに微量の放射線でも健康への影響がないとは言えないという記事を読んだことがあり、(六ヶ所村ラプソディという映画のパンフレットに載っていました)それが正しいのだろうと思ってきました。今回もその立場を変えることはできません。基準値を下回っているという事実はありますが、だからといって「絶対安全」ということは、私たちからは言えません。
言えることは、この1年間、安心で美味しいお茶を作るために、草取りをはじめ、様々な作業・管理に汗を流してきたこと。
もう一つ、言えることは、お茶を売ることができなくなれば、生活ができなくなるということです。
そして、茶畑が荒れれば、春野の主幹産業が消え、集落が消えるでしょう。多くの農家が私たちと同じように苦悩しています。すでに出荷停止となっている東日本の多くの農家は絶望的な日々だと思います。しかし、このような事態が続いて、日本の農業がますます衰退し、自給率が下がれば、そのとき外国産の農産物はより安全と言えるのでしょうか?今後必ずやってくる世界的な食糧危機に備えられるのでしょうか?そして、農家が守ってきた、日本の美しい農村風景、文化、生物の多様性・・・そういったものは失われてもよいのでしょうか?
放射性物質はもちろん農家の過ちではありません。昨今の農業は、化石燃料にも頼っていますが、それでも農家は基本的には土と水と太陽で、命の元となる食を育んできました。それに、ここの場合は暮らしも街にくらべてずいぶん省エネルギーです。近所ではほとんどの家がお風呂に薪を使っていますし、クーラーもありません。原発の恩恵とは最も遠い暮らしをしてきたはずです。そうした農家が減るということは、国のエネルギー消費を増やすことになりかねませんか?
私たち農家は、たとえ放射性物質が積もっていても、その土と離れて生きていくことはできません。今回の原発事故の責めを負うのは、国民全員であるという覚悟を決めて、よりよい日本へ力を合わせていくしかないと思うのです。どうか、ご理解とご支援をよろしくお願いします。
●生葉(加工をする前の、生のお茶の葉のこと)
・・・95ベクレル/㎏
●飲用茶(製茶した茶葉10グラムを90度のお湯430mlに60秒浸して抽出)
・・・5.5ベクレル/㎏
※暫定基準は500ベクレル/㎏
です。これ以上の情報は私たちも得ていません。
乾燥した状態の茶葉は、重さが約5分の1程度になるため、放射性物質もそれだけ濃縮されます。(数値が大きくなるため、静岡県が検査を拒んでいるようです。)蒸したり、揉んだりする際に、出て行くものもあると思われるので、5倍にはならないだろうという見解ですが、たとえ5倍になっても、95×5=475ベクレルなので、セーフみたいです。
こういった数値をどのようにとらえたらよいのか、何より私たち自身が戸惑っています。
だいちゃんは、キロ当たり95ベクレルの生葉を、毎日8~9千キロ、お茶工場で揉んでいます。それは単純に計算すると、約85万ベクレルの放射性物質に囲まれていることになります。ここのところ、自宅で4,5時間の睡眠をとるとき以外は、毎日茶工場か茶畑にいるという感じです。厚労省は、店頭に数千ベクレルのお茶が並ぶことを問題視していますが、私たち生産者の日常は、もっと大きな数字が並んでしまいます。それでも、放射性物質は目に見えないだけに、例年と何ら変わらぬ忙しい毎日が過ぎていきます。
今回の原発事故以前より、私たちは原発に反対でした。たとえどんなに微量の放射線でも健康への影響がないとは言えないという記事を読んだことがあり、(六ヶ所村ラプソディという映画のパンフレットに載っていました)それが正しいのだろうと思ってきました。今回もその立場を変えることはできません。基準値を下回っているという事実はありますが、だからといって「絶対安全」ということは、私たちからは言えません。
言えることは、この1年間、安心で美味しいお茶を作るために、草取りをはじめ、様々な作業・管理に汗を流してきたこと。
もう一つ、言えることは、お茶を売ることができなくなれば、生活ができなくなるということです。
そして、茶畑が荒れれば、春野の主幹産業が消え、集落が消えるでしょう。多くの農家が私たちと同じように苦悩しています。すでに出荷停止となっている東日本の多くの農家は絶望的な日々だと思います。しかし、このような事態が続いて、日本の農業がますます衰退し、自給率が下がれば、そのとき外国産の農産物はより安全と言えるのでしょうか?今後必ずやってくる世界的な食糧危機に備えられるのでしょうか?そして、農家が守ってきた、日本の美しい農村風景、文化、生物の多様性・・・そういったものは失われてもよいのでしょうか?
放射性物質はもちろん農家の過ちではありません。昨今の農業は、化石燃料にも頼っていますが、それでも農家は基本的には土と水と太陽で、命の元となる食を育んできました。それに、ここの場合は暮らしも街にくらべてずいぶん省エネルギーです。近所ではほとんどの家がお風呂に薪を使っていますし、クーラーもありません。原発の恩恵とは最も遠い暮らしをしてきたはずです。そうした農家が減るということは、国のエネルギー消費を増やすことになりかねませんか?
私たち農家は、たとえ放射性物質が積もっていても、その土と離れて生きていくことはできません。今回の原発事故の責めを負うのは、国民全員であるという覚悟を決めて、よりよい日本へ力を合わせていくしかないと思うのです。どうか、ご理解とご支援をよろしくお願いします。
by uno_daisuke513
| 2011-05-22 22:50
|
Comments(3)
ベクレルは瞬時値なので、扱うお茶の総量とは関係がない(?)のでは。でも春野まで放射能の影響を気にしなければならないとは。茨城県民は、特に幼児のいる家庭では注意をしています。
0
Commented
by
知多の母
at 2011-05-24 18:26
x
この事態が悔しく、情けなく、悲しいです。まどかの思い、大介君の健康、清太の成長、祈るばかりです。
Commented
by
春野のしいたけ屋
at 2011-05-24 23:40
x
陣中お見舞い申し上げます。
一番茶(新茶)収穫、製造に多忙な日が続いていますね。
もう少しです。お体に気をつけて・・・。
突然の見えない敵にみなさん動揺するばかりです。
専門家ではないので、数値で判断、予測出来ませんが、この現状に覚悟を決めて進むしかないようですね。
一番茶(新茶)収穫、製造に多忙な日が続いていますね。
もう少しです。お体に気をつけて・・・。
突然の見えない敵にみなさん動揺するばかりです。
専門家ではないので、数値で判断、予測出来ませんが、この現状に覚悟を決めて進むしかないようですね。